高橋正樹 | Masaki Takahashi
2024-02-22
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私たちのポリシー

私たち株式会社Keiganは、このような企業理念を掲げて、電気・通信機械器具の製造及び販売を行っています。

Quick and Easy Robot for Everyone
「驚くほど簡単に、かつ瞬時につくることのできる仕組みを多くの人々に提供」

を社是とし、「モジュール化によりシンプルになったロボットや電子機器は、誰もが素早く使いやすくなる!」ことをポリシーとして日々活動しています。

今回は、「使いやすい」とはどんな状態なのか考えてみたいと思います。

「使いやすい」って、どうゆうことよ?

そもそも「使いやすい」「使いにくい」って、いったいどういうことなんでしょうか? 私たちメーカーにとってみると、ユーザー(お客様)にとって使いやすい製品を送り出すことは至上命題なのですが、往々にして使いにくい製品を世に送り出してしまうことがあります。このような状況を避けるため、「使いやすさ」の定義や考え方を整理することが必要です。

規格はどうなってるのか?

まず、ISOやJISの規格ではどのように定義されているのか、調べてみました。

規格上の定義を引用します。

  • ISO 9241-11 「ある製品が、指定されたユーザーによって、指定された使用状況下で、指定された目的を達成するために用いられる際の有効さ、効率、利用者の満足度の度合い」
  • JIS Z 8521 「特定のユーザが特定の利用状況において,システム,製品又はサービスを利用する際に,効果,効率及び満足を伴って特定の目標を達成する度合い」

JIS規格はISO規格を翻訳したものなので、ほぼ同じ表現です。条文なので、かたい表現となっていますが、イメージは理解できる気がします。

オーソリティはどう言っていたの?

次に、研究者の方はどう定義されていたのでしょうか? ユーザビリティ研究の第一人者であるヤコブ・ニールセン博士は、その著書『ユーザビリティエンジニアリング原論』の中で、

インタフェースのユーザビリティとは、5つのユーザビリティ特性からなる多角的な構成要素を持つ

と述べています。具体的には、

  • 学習のしやすさ

ユーザーが簡単に学び、作業できること

  • 効率性

 ユーザーが正確に素早く、高い生産性を上げられること

  • 記憶のしやすさ

 操作を覚えやすくすること

  • エラー発生率

 トラブル発生率を低くし、致命的なミスを起こさないこと。またエラーが発生しても回復が容易なこと

  • 主観的満足度

ユーザーが楽しく利用でき、満足度を向上させること

と定義しています。より細分化されて理解が深まった気がします。

以上の規格の定義と、ニールセン博士の定義の共通点をまとめると、以下の2点に集約できると考えます。

1.一つ目は、経済合理性。ユーザーが製品を使う際に、製品を使ってもともと果たしたかった目的を、どの程度、早く、安く、合理的に達成できたのか?ということです。この観点は、定量評価が可能で、客観的に相対比較することが可能です。

2.二つ目は、主観的な満足度です。言い換えると嗜好の観点です。たとえば、「私は赤色が好き」「僕はこのデザインが好き」といったように、主観的な価値基準となります。数値化することはなかなか困難であり、時代の流行にも影響されます。マーケティングの世界では、定量評価する研究も進んでいます。

今回は、「使いやすさ」を分解して具体的に記述してみました。これらを深く追求していくことが、使いやすい製品開発のスタートであり、私たちKeiganにとっては理念の具現化につながっていくと信じているわけです。

次回は、類似した概念であるUI・UXについても調べてみたいと思います。

次 → KeiganALI・"使いやすさ"のはなし② 

この記事を書いた人


約20年間、電機メーカーで生産システムの開発、新規事業・新工場の立ち上げに従事。
先進的なロボット開発と伝統的なモノづくりを融合し、新たなムーブメントを起こすべく、2022年からKeiganで活動。
ロボットシステムの導入や営業活動を主に担当。自身の専門分野の幅を広げ深掘りしながら、技術ブログを執筆中。

高橋正樹 | Masaki Takahashi