SLAMとは、”Simultaneous Localization and Mapping”であり、頭文字をとってSLAM(スラム)と呼びます。
自律走行ロボットは何を考えているのか?
自律走行ロボットは、頭(CPU)のなかで、どのような処理をしているのでしょうか? ごく単純に言いますと、つぎの3つのステップに分かれます。
- 周囲の環境を把握する
- 自分がどこにいるかを把握する
- 目的地までの行き方を把握する
人間が建物の中を移動するときも同じステップ
これは、人間が建物の中を移動するときと同じステップです。
例えば、初めて訪れた建物の中の、ある目的地へ移動することを考えてください。
- 掲示されている地図をよむ。建物の中をウロウロしながら、掲示されている館内マップを探します。
- 自分がどこにいるのかを知る。たいていは地図に”現在地はココ↓”などといった表記があります。
- 目的地までの道順を把握する。地図上で目的地までの道順を考えます。たとえば、2番目の曲がり角を右に曲がるなど。もしも建物の地図が無ければ、建物の中をウロウロし、1,2,3の各ステップを歩きながら踏んでいくしかありません。
新規事業の創出や事業開発も同じ?
さらに別の事例ですが、事業開発や技術開発も、同じようなステップを踏みます。
- 事業環境を把握する。市場動向や他社技術、最新技術など、事業環境にかかわる情報を収集し把握していきます。
- 自社のポジショニングと組織能力を把握する。自社の保有技術や資産を棚卸し、いわゆる強み・弱み、業界での立ち位置・役割を定義します。
- 実現に向けた計画立案する。現実的な具体アクションにブレークダウンし、ゴールに向けた計画を立てます。
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私たちはこのステップを踏んで、建物の中を移動したり、事業活動を営んだりしています。
とてもとても前置きが長くなりましたが、自律走行ロボットもこのようなステップを踏んで自己位置推定を行います。
Keigan ALIも同じステップを踏んでいる
Keigan ALIも、ほぼ同じステップを踏みます。
- 走行エリアのマップデータを作成する。マニュアル操作(手押しでも可)でKeiganALIを走行させながら、走行エリアにある地図データを取得していきます。
- 自己位置設定する。地図データの中で、KeiganALI実機がどこにいるのか、位置(x,y)と姿勢(θ)を設定します。
- タスクを設定する。マップ上で、目的地点や経路を設定(タスクセットと呼びます)します。
今回は自律走行ロボットのSLAMについてお話ししました。
次回は、測定誤差をどのように扱い、自己位置測位していくのかについてお話ししたいと思います。お楽しみに!