高橋正樹 | Masaki Takahashi
2024-01-12
サービスロボットへの要件定義

半田病院さまからいただいた、ロボットへのご要望は大きく2点ありました。​​

  1. <道案内> 病院内へ来院された方を、所定の位置へ道案内する。院内を走行するロボットの後ろを付いてきてもらい、エスコートしていく用途。病院内の“入院説明窓口”場所がスタート地点、“エレベーターホール”をゴール地点。
  2. <荷物運搬> ロボットに荷物を載せることができ、道案内を同時に荷物を運搬することができる。​

 だれが、いつ、どのように、そして、何のためにロボットを利用したいのか? お話を伺いながら、作り上げるシステムへの要件を整理していきます。​

 ”システムインテグレータ”は、顧客要望を技術仕様に変換し、システム全体の開発内容を、要素技術の開発内容に分解していきます。開発難易度と必要な期間・コストを見積り、ユーザーさまと擦り合わせを行っていきます。​

 今回の取り組みでは、レストランやホテルで稼働中の”KeiganALIレストランモデル”をベースとし、ご要望に合うようにカスタマイズを進めていきます。

KeiganALI導入事例  住友重機械工業様ホームページ

運用・画面仕様(UI)案をつくる

初めに、ご要望いただいた活用シーンのイメージを明確化し、システムの顔となる操作画面を作っていきます。​

 UI(ユーザーインターフェース)は、まさにシステムとユーザーの接点。システムユーザーの立場となってシステムを作りこめるかが重要となります。いかに使いやすい、更には、使っていて気持ちよくなるか、良いアイデアを出していきます。​画面遷移、色・文字の大きさ、アニメーションなどの意匠、音声、言語など、詳細の決め事は多岐にわたります。​大切なのは要件定義に基づいた企画・コンセプト。これが曖昧だと、詳細設計段階でシステム全体の統一感が無くなってしまいます。このような点に留意しながら、設計を進めます。

​​操作画面① スタート地点(入院説明窓口)で表示。ロボット機体に来院者のお荷物を載せてもらい、ゴール地点(エレベーターホール)の行き先ボタンを押下してもらう。​

操作画面② スタート地点(入院説明窓口) ~ゴール地点(エレベーターホール)へ走行中に表示。院内地図上でロボットの現在地と、目的地までの距離を表示する。来院者はこの画面を見ながら、ロボットの後を付いてきてもらう。​

操作画面③ ゴール地点(エレベーターホール)到着時に表示。​エレベーターホール~入院説明窓口へ走行する際も、操作画面②が表示される。

 このような想定で、画面案を作成しました。

 次回は、ハードウェアの開発・設計の取り組みを紹介します。

KeiganALI・病院向けサービスロボット開発①  前 ⇔ 次 KeiganALI・病院向けサービスロボット開発③ 

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この記事を書いた人

京都大学大学院 工学研究科精密工学修了。
約20年間、電機メーカーで生産システムの開発、新規事業・新工場の立ち上げに従事。
先進的なロボット開発と伝統的なモノづくりを融合し、新たなムーブメントを起こすべく、2022年からKeiganで活動。
ロボットシステムの導入や営業活動を主に担当。自身の専門分野の幅を広げ深掘りしながら、技術ブログを執筆中。

高橋正樹 | Masaki Takahashi